

2021年1月現在、第二次仮想通貨バブルとも言われるビットコインの高騰(=それに伴う仮想通貨全般の高騰)によって、激しく上下するビットコインのチャートを眺めながら「売ったり」「買ったり」というトレードに関心が集まっています。
もし”将来的に価格が上がるから“という理由で貯金の一部をビットコインに替えておいたというような場合、「売ったり」「買ったり」を繰り返すのは本来の目的を失っており、そのまま保有しているよりも損をする可能性があります。一番の必勝法はチャートを見ない事です。
しかし、取引所のウォレットの残高が減っていくのを見ると「いったん売って利益を確定して、下がったら買おう」と思ってしまうのはとてもとてもとても・・とても理解できます。
心理的に多くの人が巻き込まれてしまうトレードについて記事にしてみようと思います。
ちなみに筆者であるヤマノケンはトレード目的でFXの経験は5年程の新参者ですが初心者目線で難しくない説明を心がけることが出来ます。
相場は心理戦1~あなたはこう考える~
実際のビットコインの相場で見てみましょう。
相場は人の売買によって動いています。 そして「自動で売買の予約が出来る」という点も重要です。
- 情報の早い人は1番でビットコインを買い集めていますが、多くの人はまだ気づいていません。
- 大きく上昇。話題によってビットコインを購入したり買い増しをする人が出てきます。 上手く情報に乗れました。 何故か「買わないと損」という気持ちになるから不思議。 そして、どんどん上昇する残高に興奮。
- ところが何故か急落。膨らんだ残高が一気に減っていく様子は精神的に苦痛です。損をする直前、もしくはちょっと損をした時点で売りたくなってしまいます。
- 「あの下落はなんだったんだ」というような上昇。 大きな下落を見たらすぐには買えませんので買い戻しが遅れる方もいるでしょう。 3の時点で安値で売らされ、4に至るまでにもたもたして高値で買わされると損です。 その後、上がったり下がったりを繰り返しているうちに「ここが天井かな・・」とだんだん不安に思ってきます。 ここで多くの人が「一度支えられた黄色い線より下がったら売る」というような予約をし始めます。 ストップロスといいます。とても有効な手段です。
- 結果、指定した値まで下がったので買っていたビットコインを売る人続出。 雪崩のような売りが起こっているのは、多くの人が同じ行動(売り)をしているからです。 上がった分下がる下落を調整といい、一定の値を下回った事で雪崩のように下落することを、ストップロスを巻き込んだ下落などといいます。
- 雪崩のような下落が起きた時は怖くて買えませんが1で買い逃していた人や上級者は「下がったら買おう」と待っているのでまた上昇してきます。
- しかし、雪崩の恐怖体験があったばかりなので高値よりも少し下の段階で売られがちです。山がどんどん低くなっていくのはあるあるです。
このように、長期的に保有するつもりだったのがいつの間にかトレードに参加してしまっているのは取引所のアプリがトレードを誘うデザインという事もあるでしょう(トレードするたびに取引所には手数料が入ります)
ちなみに、その後どうなったのか?というと、
こうなりました。どんどん上昇していきました。
売ったり買ったりを繰り返す事でより多くの利益を得た人もいるでしょう。
しかし、何もせず保有していた方が利益が大きかったというケースの方が実は多いものです。
それにしても、思い起こせばなぜこんなに需要があるのに3番や5番で大きな下落が起こったのでしょうか?
それは、相場は大口投資家によって操作されているからです。
相場は心理戦2~大口投資家はこう考えていた~
相場の世界は大口投資家が操っているとイメージしておきましょう。
- 大口投資家が一度に沢山売れば相場は下がります。「相場をコントロールできる奴がいる」と考えておいた方が良いです。これは株やFXでも同じです。 沢山BTCを持っている金持ちおじさんだと考えるとファンタジー感がありますが、多くの人からお金を集めて代表で投資するファンドや企業をイメージすると良いでしょう。(クジラなどとも呼ばれています) 彼らは当然1の段階でかなりのコインを保有しています。
- 2021年の正月は法定通貨の価値が下がった事がきっかけでビットコインの価格が上昇しました。 上昇のニュースが広告となり、一般人が購入してどんどん価格が上昇していきます。 基本は「買いが買いを生み、売りが売りを生む」です。
- さて、彼らにはそのまま保有しているよりも稼げる方法があります。 それは「相場を操作する事」です。 ある程度価格が上昇した所で大口が仕掛け的に売ると相場は下がります。「売りが売りを生む」ので一般人がつられて売り、急落します。 下がった所でまた買い上げれば、高値で売って安値で買う事が出来るのです。
- また買い上げたので価格は上昇。 一般人の買いが溜まってきたところでまた仕掛けよう。
- 仕掛け売り開始。 ストップロスを巻き込んで大きな下落が起こりました。また高値で売れて美味しい。
- 思った以上に下落www笑いが止まりません。 再び安値で買わせていただきます。
- 一度急落の恐怖を味わうと以前の高値よりも少し下の値で売られがち。
ウマウマ~!!
FXの場合は例えばUSD/JPYというようにアメリカの政策・日本の政策のどちらにも左右される上にドルも円も多くの国民や企業が保有しているものなので操作するのは難しいです。 しかし、マイナーな株や仮想通貨は操作をするのが簡単なのです。 (半沢直樹の新作でも株価が意図的に急上昇する描写がありました)
大口投資家の命題は「BTCをたくさん保有する事」「BTCの価値を下げない事」この2点です。 どちらも両立させるのは簡単ではないので売りを仕掛けたり、買い上げたりという試行錯誤をしているのです。
逆に大口投資家が嫌がるのは「市場参加者が誰も動じない」事です。
価格が上がった所で一気に売りが入って安くなったら「ラッキー」と買われてしまうとコインをただ失う事になります。 しかし、個人投資家が足並みをそろえる事は不可能。
なので、もしトレードをするならばコバンザメのように大口のクジラと同じ動きをする事が勝つポイントとなります。
チャート・相場の基本知識
Twitter等でよくつぶやかれる相場ワードをピックアップしておきます。
実際に相場がその通り動くというよりは、同じチャートを世界中の皆で見てSNSでつぶやける環境にあるので、共通用語として覚えておくと何のことを言っているのか理解することが出来ます。
ダブルトップとダブルボトム・三尊天井・逆三尊
- ダブルトップ・・山が二つあって、谷の時の値を下回ったら一気に下落
- ダブルボトム・・ダブルトップの逆
- 三尊天井・・山が3つある場合は三尊天井といいます。
- 逆三尊・・三尊天井の逆
SNSでの使用例:チャートがMの字を形成した時に、「ダブルトップ成立で、この後下落くるか?」
三角保ち合い(持合い)
高値と安値を徐々に狭めながら幅が狭くなってくる現象です。
上に行くのか?下に行くのか? 市場が迷っている状態です。
その後、「上に行く」と決まったら勢いよく上に行きますし、逆も然りというサインです。
SNSでの使用例・・「三角保ち合いを上に抜けたら全力ロングします。」
FTXのMOVE取引につかえそうですが、迷っているのではなく興味を失っているという場合は、そのままズルズル方向感もなく糸のように続くのでご注意を。
ダマし
こちらは実際のビットコインの1時間足チャートですがこの後一気に下落します。 てっきりこのまま上昇するのかと思いました。
何をもってダマしとするかは人それぞれですが、「と、見せかけて」というような動きをした時に「ダマし」というワードが使われます。
ワードを紹介したかったというよりは「ダブルトップ」や「三尊天井」などの知識があっても結果論であり、実際はダマしかどうかが分からないのでたいして役に立たないという事が伝えたくて紹介しました。
皆、同じチャートを見ながら取引をしているのだから全員が同じ気持ちならサイン通りに動くはずです。
例えば三角保ち合いが上に抜ければ、「俺も買う」「私も買う」「Meも買う」と連鎖していき、「どうぞどうぞ」で誰かが損をする。 この繰り返しのはずですし、せっかく買った限りある資産ですから全員が保有して売らなければ価値も維持出来るのです。
なのに思うようにいかないのは、やはり相場を支配する悪の組織VS個人投資家の雑魚キャラ達という構図になっているからではないでしょうか。
レジスタンスライン・サポートライン
一度つけた高値は「天井」として意識されやすく、相場はまるで壁があるような動きを必然的にします。
明確にどこという決まりはありませんが、綺麗に形成された時は
- 上のラインをレジスタンスライン(抵抗線)
- 下のラインをサポートライン(支持線)
といい、売買する人は共通で意識をします。 一般的に超えるとその方向へ勢いよく飛び出します。
SNSでの使用例・・「レジスタンスライン超えたら全力ロングですね。」
- 斜めでもレジスタンスライン・サポートラインはありますか?
- 斜めでもレジスタンスライン・サポートラインは引くことが出来ます。 上昇中や下落中の場合、「ここまで下がったら買おう(売ろう)」のハードルがだんだん低くなってくるので斜めに綺麗に線が引ける事も必然的に発生します。
その他の用語
ロング・ショート | 買い・売り |
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コール・プット | 買い・売り |
RSI | チャートで使えるインジケーター(分析ツール)の一つ。 「買われ過ぎ・売られ過ぎ」を示します。 インジケーターは沢山あるので別の記事でまとめてみますが、RSIを元にしたつぶやきが多いので記載しました。 |
下髭・髭 | チャートはローソクのような形をしていて、上下に毛が生えている事が多いです。 いったんその値まで行ったけど戻ってきたという事で、髭が長いと勢いよく戻されたという解釈になり、様々な考察がされます。 |
日足等の足 | チャートで示されるローソク1本の事。1時間足なら、1本で1時間分の動きが分かります。 |
高掴み | 高値で買い、下落して損をする事。 |
トレンド | 上昇・下落の流れが出来ている事(流行) |
ビットコインを買った理由を思い出そう
ビットコインは、2,100万BTCしか発行されません。
- 法定通貨と違って勝手に増産されない
- 希少性があり資産として確立される
- 今のうちに1BTCを買っておけば世界で2100万人のうちの一人になれる
- TVで見て宝くじを買うような感覚でなんとなく・・
というような考えから購入をしたのであれば、「一時的に売ってまた買う」という行為は趣旨が変わってきます。
「上がるか?下がるか?」のギャンブルをするようなものです。 ギャンブル自体は全く問題ないと考えますが、その相手がコンピューターで確率が5分5分ならまだしも、相場のプロフェッショナル=イカサマ上等のディーラーに勝負を挑むようなものです。
何が言いたいのかというと、価格の上下に振り回されて本来の目的を忘れないようにしましょうという事です。
私は売ったり買ったりはしていません。ガチホというやつです。
しかしガチホを推奨しているわけでは無く、ここで伝えたいのは1日のうちに何度も売買を繰り返すようになると、それはもう「デイトレード」という新しいジャンルの投資になるという事です。
もちろん、最初からFX取引のようにトレードで稼ごうという方がリスク覚悟で売買を繰り返してどんどん資産を増やそうとチャレンジをする事には賛成です。